提言書・報告書
提言書・報告書
兵庫県相談支援ネットワークは、兵庫県より下記の事業を受託し、提言書・報告書をまとめました。
相談支援人材育成体系等検討事業(令和7年度)
本人中心支援を実践するために地域を基盤としたソーシャルワークができる人材育成に関する提言書
2025年に策定された「兵庫県障害福祉従事者人材育成ビジョン」は、障害のある人が地域で自分らしく暮らせる共生社会の実現をめざし、県内の障害福祉に携わるすべての人を対象としたどういう人材を育成していくのかということが示されています。
○本ビジョンの共有により目指すことは、次のとおりです。(はじめより)
- 障害福祉に関わる者は、本人中心の相談支援の展開をしていくことにより、障害のある人の権利擁護を進めていくこと。
- そのためには、障害福祉従事者が価値・倫理・(技術)の向上に努めていくこと。
- 3各事業所、各地域(市町、圏域など)における従事者のスキルアップの取組が一層積極的に行われること。
- このビジョンを活用して、法人役員、管理者、中堅職員等が現場を支えている職員に対して、適切な人材育成支援を実施すること。
- 事業所で支援の経験を積み重ねた人材が、市町や県等が実施する人材育成に運営や講師として関わり、その経験が自身の資質向上や各事業所や地域での人材育成につながるような、人材育成の循環が実現すること。
- 障害福祉従事者がインクルーシブな地域づくりに寄与すること。
とされています。
具体的な育成プロセスとして、経験年数に応じて「知る」「できる」「活かせる」「創る」という4つの段階を設定し、それぞれの段階で求められる役割や研修内容を体系的に示しています 。また、個別の支援が、インクルーシブな地域づくりへとつながっていく視点を重視し、自立支援協議会などを活用した地域での人材育成の重要性も示されています 。
このビジョンを県、市町、各法人や関係団体などが共有し、連携して人材育成に取り組むことで、兵庫県における障害福祉全体の質の向上が期待されます。
様々な障害福祉従事者にどのように伝えていくかについては、今後、継続的な議論が必要かと考えますが、最初の一歩として、まずは、今回、策定された「兵庫県障害福祉従事者人材育成ビジョン」を共有していきたいと考えています。
兵庫県高齢障害者ケアマネジメント充実強化事業(平成27年度)
兵庫県高齢障害者ケアマネジメント充実強化事業(平成27年度)
障害福祉サービスを利用していた人が、65歳を迎え介護保険サービスを利用するに際して、様々な課題が顕在化しつつある。
社会保障審議会障害者部会(厚生労働省)は、平成27年度において、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という)の施行3年後の見直しの議論を行ってきたが、高齢障害者の支援のあり方についても論点の一つとなっていた。また、兵庫県においても、高齢障害者の支援のあり方は喫緊の課題であるとして、障害のある人が65歳を迎えても、その人らしい暮らしが継続していけるような支援体制を構築していく必要があると考えている。
この、「その人らしい暮らし」の継続のためには、障害があったとしても誰もが生きる主体として尊重され、誰とどこで暮らしたいかどういう暮らし(生き方)をしていきたいかについて意思表明していけるよう、本人中心のケアマネジメントの展開が求められている。さらに言えば、この意思表明を尊重・支援する環境や制度の解釈が、地域により異なるといった現状を是正していくことも必要である。
これらのことをふまえ、本報告書では、支援に関わる者すべてが本人中心のケアマネジメントを展開できるように、特に65歳到達時における介護保険サービスの利用のあり方、障害福祉サービスとの併用のあり方等を検討し、本人中心の支援が引き続き行えるための方策等の提言を試みたものである。
一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク
代表玉木 幸則
わたしのしょうかいシート
相談支援専門員と介護支援専門員が共通に持つ課題である「連携」を深めるためには、情報を共有し、本人を中心に暮らしをマネジメントするためのツールが必要です。
本人のストレングスを中心に、相談支援専門員が介護支援専門員に「紹介」することを主な目的としているシートです。是非、活用してください。